https://blueberrytaisa.hatenablog.com/

底辺ナースすっとばす

10数年ナースとして働き、現在大学院在学中です。ワーキングホリデー経験、元バックパッカー。仕事、日常、旅行などを中心にまとめています。少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!

【ナースが見た西成の生活保護】西成のおっちゃん達の給料日

今日は1日、私の住む大阪市では月初めの1日が‘生活保護’の支給日です。

 

大阪に越してきて数年間、私は仕事の行き帰りで西成の地下鉄を利用しています。そのため、毎月1日の西成の様子が普段と違うことに気づきました。

 

また、入院患者さんの中にも生活保護受給中の方が多いので、色々考えるところがあります。今回、生活保護について、私の考えを交えてまとめてみたいと思います。

 

 

 

 

1.大阪市西成区とは

大阪市24行政区の内の1つです。場所は大阪市中心部、難波の少し南、天王寺の少し西にあり、いわば大阪一等地に位置しています。

f:id:blueberrytaisa:20190701213927p:image

戦後の高度成長時期に全国から日雇い労働者が流入し、あいりん地区を中心に労働者の街として発展。当時は日本数える程しかないスラム街を形成していました。

 

90年度前半のバブル経済の崩壊により、職を失った労働者がホームレスになるなど、様々な課題を未だに抱えています。

 

(疾患罹患率の高さ、生活保護受給率の高さ(貧困・外国人)、建物の老朽化、住人の高齢化など)

 

現在は、空き家を利用して外国人バックパッカーの安宿街としての顔もあります。

 

 

2.大阪の生活保護

大阪府の公式統計(平成30年度)によりますと、大阪府全体の生活保護率は33.9%(1000人に33.9人、全国平均16.7%)、大阪市はなんと52%(1000人に52人)、西成区237%(1000人に237人)

 

www.city.osaka.lg.jp

 

この統計を見る限り、全国と比べて、大阪(特に西成)の生活保護受給者数が多いことがわかります。

 

3.私が見た生活保護費の受け取り方法

生活保護保護受け取りの方法

銀行振り込み

銀行の預金口座を持っている人は基本振り込みでの受け取りとなります。

 

 ・福祉事務所での手渡し

西成の生活保護受給者は銀行の預金口座を持っていない方もおられます。その場合は、福祉事務所で直接手渡しという形になります。

 

そのため、生活保護需給日には、福祉事務所が受給者による行列ができることもあります。数年前、夜勤帰りにふと事務所の前を通った際、行列を目撃しました。

 

数人の方々は「はよせえや!」というような怒鳴り声をあげていましたが😷

 

入院中など諸事情により、直接保護費の受け取りができない場合は、入院中の施設などに現金書留で送られてくることもあります。

 

生活保護受給者本人がお金の管理が困難な場合

病気、生活環境など様々な理由で金銭の管理が困難な方もいます。

 

その場合は、入所中の施設・病院、入居中のアパートの大家が生活保護費を受け取る場合もあります。

 

入居中の施設や大家は生活保護費の中から家賃・生活費を回収し、残りを受給者のお小遣いとして割り当てていることが多いです。

 

 

4.生活保護受給当日の雰囲気

・区役所に受給者の行列ができる

お金を受け取るために皆ちゃんと並んでいます。

 

・街が朝からちょっと酒臭い

朝街を歩くといつもよりお酒の匂いが漂っており、酔っ払いがふらっと歩いているのを見かけます。朝から優雅に過ごしておられるのでしょうね。

 

・パチンコ屋に行列ができる

いつもは行列のできないパチンコ屋に、おっちゃん達の行列ができています。

「もらったお金はすぐ使う」「宵越しの銭はもたねぇ」

そういう強い覚悟を彼らの背中が物語っています。

 

生活保護の入院患者がそわそわしている

朝早くから「施設に電話させろ」「今日は金が入る日や」などの発言をする患者さんがいます。そもそも入院中、彼らはお金を使う予定はないのですが、なぜか、手元にお金を置いておきたいみたいです。

 

 

5.生活保護についての私の思い

生活保護は必要

まず大前提として、最低限の生活を保障する「生活保護制度」は必要だと思います。それは憲法の「生存権」にも保障されていますし。

 

病気により、仕事をしたくてもできない人はこれまでたくさん見てきました。中には、退院後就職先を見つけ、生活保護から脱した方もいます。

 

・私の考える生活保護の問題

問題なのは、生活保護制度を悪用する方がいることです。こんなことを言うと、人権団体から苦情を言われそうですが、実際私は生活保護費の不正受給や大家・施設による保護費のピンハネの現場(貧困ビジネス)を数多く見てきました。

(ピンハネを取り締まる法律、条例は今のところないと思います)

 

もちろん、中には善意の心を持って生活保護受給者を援助する活動をされている方もおられます。

 

はっきり言って大阪市の財政状況は国内の他の自治体と比べて良くないと思います。(昔と比べてずいぶん改善されていますが)。そのため、多くの市民は生活保護に対する不満を抱えながら生活しています。

 

現状、このような不正受給などの問題を改善しない限り、住民の不満が消え去ることはないでしょう。

 

・問題解決のためのアイデア

生活保護費を生活費にあてず酒、タバコ、ギャンブルなどに使用される方々がいるのも事実です。

 

そのような用途でお金を使用されるため、いつまで経っても就職もせず、自立した生活をできなくなる場合が多いです。

 

これらの現状を踏まえ、生活保護費は現状のような金銭支給の形ではなく、部分的に米・水・住居などの現物支給にすべきであると思います。

 

現物支給すれば、最低限の生活はできますし、無駄にお金を使用されることもなくなると思います。また、保護費のピンハネ等の問題もなくなるのではないでしょうか。

 

もし、そんなことをすれば色々な団体からの反発を受けることは必死でしょうが...

 

 

 

以上異論・反論あると思いますが、生活保護に対する私の思いをまとめました。

 

 

 

病院にやってくる外国人についても記事を書いています。

blueberrytaisa.hatenablog.com