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底辺ナースすっとばす

10数年ナースとして働き、現在大学院在学中です。ワーキングホリデー経験、元バックパッカー。仕事、日常、旅行などを中心にまとめています。少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!

貧しいということ

 昔から貧困問題に興味のあるブルーベリーです。

 

なぜ貧困に問題を感じたか 

 大阪で看護師として働いていた時も、様々な生活保護受給者、非正規雇用労働者、ホームレスの方々と関わらせて頂いておりました。働く中で、彼らのような社会のマイノリティと呼ばれる人々の健康行動や生活習慣について問題意識を感じておりました。何か自分にできることはないかと、公衆衛生大学院に入学し勉強中です。

 

 大学院にて健康格差について勉強し、日本の中の貧困の問題に益々問題意識を持つようになりました。そこで、貧困とは何か、私たちにできることについてまとめてみたいと思います。

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貧困の分類

 貧困には大きく分類すると2種類の「絶対的貧困」と「相対的貧困」があります。

 

絶対的貧困

 絶対的貧困はグローバルヘルス(国際保健)などの領域で取り扱われる、いわゆる発展途上国で絶対的な所得の低さによる起きる貧困です。例えば、「アフリカの国で何分に1人子供が亡くなっています」など、メディアでよく取り上げられる貧困が絶対的貧困に相当します。食糧、衣服、水など生活を維持する上で絶対に必要なものが手に入らない状態であると思います。そのため、絶対的貧困も、人類にとって最重要の課題の一つです。現在、様々な人々の努力で少しずつではありますが、発展途上国における絶対的貧困層の率は下がりつつあります。

 

相対的貧困

 一方で、先進国と言われる国で発生しやすいのが相対的貧困です。先進国においては資本主義経済による競争が必ず起きます。そのため、低所得、高所得の集団が生まれ、所得格差が生じます。

 

 所得の格差は様々な問題を引き起こします。低所得の定義は年収122万以下とも言われていますが、各個人それぞれの生活する社会の中において周囲と比較した収入の違いがあり、一概にそうは言えないと思います。 

 

 これまでの先行研究において、所得の格差は健康の格差を生じさせてしまうことが分かっています。周囲と比較して所得の低い層はそうでない層と比較し、死亡率や生活習慣病の発生率が高くなります。確かに、以前働いていた病院に入院する生活保護者や非正規雇用労働者の方々は基礎疾患に糖尿病や肥満などを抱えていることが多かったように思います。低所得の集団では喫煙や過剰な飲酒などをしている人々が多く、各個人は周囲の環境に追随してしまうために、自ずと健康に悪いと思われる行動を選択してしまうのではないかと考えます。

 

 また、人間の心理として、他者と自分を比較してしまうことが知られています。そのため、相対的な貧困は「どうしてあの人より収入が少ないんだろう」「あの人はいい暮らしができて羨ましい」といった、自分を卑下してしまう精神的なストレスを産み出してしまいます。精神的なストレスはうつ病などの精神疾患のリスクを高めるとともに、医療へのアクセスも遠ざけてしまう要因になってしまうことが分かっています。確かに、もし自分が周囲と比べて暮らしぶりが悪ければ、自暴自棄になってしまう気持ちは分からなくもないなと感じました。

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私の考える問題意識

 日本においては絶対的貧困が問題になる時代はすでに過ぎ去り、相対的貧困に対するアプローチが必要です。私の考える相対的貧困の対象は

  1. 生活保護受給者
  2. 在留外国人
  3. シングルマザー(ファザー)世帯
  4. 虐待を受けている子供
  5. ホームレス
  6. 災害による被災者

などです。これらの人々は政治や行政、民間組織からは見過ごされがちになるような社会の中ではマイノリティと呼ばれる集団にあたります。そのため、「そんな数の少ない集団に介入しても多数派の集団に意味はあるのか」という反論を頂くことがあります。しかし、社会のマイノリティーの集団における健康問題は、多数派である集団の健康に大きく関わるのではないかと考えます。実際にそのような関連性を示唆した先行研究も出てきています。

 

 これらの問題を少しでも解決できる専門家になれるように、これから勉強していこうと思います。

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